qpstudy2016.04 響け!アラートコール!
04/23(土)にqpstudy2016.04を開催しました。
「響け!アラートコール!」というサブタイトルの通り、テーマは監視。@koemuさん、@zembutuさんに発表していただきました。ありがとうございました!
今回は趣向を変えて参加者の皆さんに監視をテーマにしたグループディスカッションを実施してもらいました。抜き打ちで。 私はファシリテータとしてグループディスカッションをガイドしました。みなさん新しい学びを得られましたでしょうか?
このエントリでは全体の流れとディスカッション進行のふりかえりを記載します。発表者お二人からの問題提起とディスカッションの内容については別エントリで。
案内
- #qpstudy 2016.04 響け!アラートコール!本編 一般枠
- #qpstudy 2016.04 響け!アラートコール!本編 初心者・女性・学生枠
- #qpstudy 2016.04 響け!アラートコール!懇親会枠
本編
- 「ITインフラの今後を考える」@koemuさん
- 「Re: 運用に自動化を求めるのは間違っているだろうか」
- グループディスカッション(詳細後述)
懇親会:テーマテーブル
懇親会は30名ほどが参加されていました。最終的にスタッフも交えてそれなりの人数になったと思います。今回はテーマテーブルを用意して話題を作りました。ぼっち対策になるかなとも思ったのですが、どうでしたでしょうか?
- 【Ask the Speaker】① @koemu さん
- 【Ask the Speaker】② @zembutu さん
- 【職種・組織】 インフラエンジニア is dead? サーバレス時代をこの先生きのこるには
- 【キャリア】 35歳は定年なのか? 新卒、リーダ、マネージャ?エンジニアのキャリアを考える
インフラエンジニア is dead?
私はインフラエンジニア is dead?のテーブルを担当しました。 議論に参加していただいたのは6〜7名くらいかな。もっとたくさん巻き込みたかった。 それぞれどんな仕事をしていますか?という話から、「インフラエンジニア」という役割は今どのように変わってきているのかについて、ビールを片手にホワイトボーディングして話すというスタイルでした。
30分ほどの話の中で、次のような話題が出ていました。結構いい感じの絵も書きましたが、写真撮るの忘れてた。
- qpstudyを始めたころ(2010年ごろ)はインフラエンジニアという言葉もなかった。その後一般化してきた感があったが、最近になってまたよくわからなくなってきた印象。
- フルスタックエンジニアや(Web)オペレーションエンジニアという言葉が流行ってきたあたりから、あいまいになってきた?
- 運用の自動化をするのは誰か?インフラ系のエンジニアがコードを書くようになるのか、アプリエンジニアがインフラを操作するようになるのか?
- たとえばNW機器のコンフィグやテストなどはかなり特殊スキル。これとChefのレシピを書く人は本当に同じ人がやるべきか?
- 組織が小さいと結局フルスタックエンジニアが必要だがこれには高いスキルを求められる。組織が大きいとインフラエンジニアが細分化される。別の名前がそれぞれ必要ではないか。
- ある会社では物理サーバの管理、NW機器の管理、VM〜OSレイヤの管理、OSより上のレイヤの管理のように分かれている。それぞれに名前をつけられないか?
- ある会社のSRE(Site Reliability Engneer)はクラウド環境より上を見ていて、物理機器を見ない代わりにすべての領域を見ている。クラウド環境ならアプリからIaaSレイヤまでを見ることは可能(クラウドを使うことでインフラ管理作業が省力化され、担当できる範囲が広がっている)
- x軸に組織の小→大、y軸にレイヤの低(DC系)→高(アプリ)をマップしたら、それぞれやるべきことが深くて、けっこう役割分担がなされている。
懇親会:LT大会
w4yhさんのブログが詳しいです。以下の発表がありました。
- StackStorm by w4yhさん
- 監視におけるフルリゾルバのキャッシュ by ttkzwさん
- Well-Architected フレームワーク by yktko
- AWS Certificate Manager by mnakajima18さん
- MongoDB on EC2 by kuwa_tw
Well-Architectedフレームワークについて
私はAWSのWell-Architectedフレームワークを紹介しました。
これはアプリケーションがクラウド上で稼働させるために良い設計になっているかどうかを評価し、改善するためのフレームワークです。 AWS上でシステムを構築する際に検討すべき4つの柱と原則、質問事項から構成されています。 設計担当者だけでなく発注者側の承認担当者が随時開発の工程で実施いただくことも想定しています。
LTでは概要を紹介する程度でしたが、Well-Architectedは6/1に開催するAWS Summit にて、半日のブートキャンプをやります。 ワークショップでサンプルシステムの評価を行い、Well-Architectedを理解するとともに評価・分析スキルを身につけていただくものです。 講師は私が務めさせていただきます。有償のコースになりますが、ぜひご参加ください。
グループディスカッションについて
ここではグループディスカッションの進行について述べます。
qpstudyではセミナー形式以外にも、違う方法で実施することがあります。グループディスカッションは2011年5月の時に実施しており、抜き打ちという意味では2011年10月の開催で「内容は当日までヒミツ」として、会場で抜き打ちテスト(笑)をやったことがあります。余談ですが、このとき内容が当日までヒミツにもかかわらず満員の参加だったのには驚きました。
今回の目的は2つありました。
- 監視のような運用ノウハウは明文化されにくく異なる組織間で共有されにくい。多くの人とディスカッションすることで普段と違う観点から情報を共有し、新たな知見を持ち帰って欲しい。
- グループディスカッションのようなアウトプットを伴う方式は身につくものが多いものの、ディスカッション前提で募集すると敷居を高く感じて参加しにくくなる。聞くこと主体で勉強会に参加する方にもディスカッションを体験してもらいたい。
結果的には突然のアナウンスだったにも関わらず、各チームで熱い会話が交わされていたように思います。みなさんの目から光が消えることは最後までありませんでした(5年前の時は途中から参加者の目が死んでた)。
抜き打ちディスカッションということで、皆さんが迷うことが無いよう、今回はフォーマットを絞り込んでガイドしました。 全体としてのナレッジ表出を狙い、ブレスト方式で、かつ個々人が話す時間を多くするよう、次のような3回戦方式としました。
- ディスカッションのアナウンスと、立場別に話してほしいことを提示。 ** インフラ構築系:最近の監視関連の変化をふまえ、自分の業務では何を変えられるか? ** インフラ運用系:監視をやっていて価値を出せた事例、今後どうしたらいいのか? ** アプリ開発系:開発・運用中に見えなくて困ったこと、見えるにはどうしたらいいのか? ** 企画営業その他:あなたの仕事は何か?何を見たいか?それがあると何がうれしいのか? 監視に関する最近の発見や参加者への問いかけ
- 4-5人のチーム(小隊)で20分ディスカッション→話題を3つ選ぶ
- 小隊2チームで中隊とし、その中で相互に発表、ディスカッション→話題を3つ選ぶ
- 全体に対して中隊ごとに発表
ディスカッションの説明資料はこちら。
今回のディスカッションを通して得た気付き。
- 質問は用意したが、ディスカッションでは各自の思いを話した人が多く、よくも悪くも話が重なることがなかった。
- 4-5人程度で自己紹介つぎのディスカッションを行えば各々よく話しやすいようだ。自ら話すネタがあれば20分でかなり熱が入った議論になる。
- ホワイトボードに書く際のフォーマットをガイドしなかったのはちょっと失敗。立場ごとに整理しながら書いてもらうと、論点がもっと明確にできたかも。
- 知らない人同士で話すので、特定の人が話しすぎないようスタッフのガイドをもう少しいれるべきだったか。
- 最後は11チームの発表で、1チーム3分発表1分質疑、合計で50分程度を想定したが、発表時間がかなり長くなってしまった。全体の発表時間を30分程度に絞りたいが、うまい方法はないか。
- 各チームのホワイトボードを見て回って、意見をやりとりする時間を取りたかった。全体発表をするのでなく、ポスター発表的にすることで他チームの発表を参加者各自が解釈する時間を採ったほうが良かったかな。
- ホワイトボードに書きながら話すディスカッションは意見がよく出る。超オススメ。
- 机の上にホワイトボードを置いて話していた小隊は、ホワイトボードをあまり活用できていないようだった。中隊では必ず壁を使うようにガイドしたが、ちょっとスペースが厳しかったかな。
今回のディスカッションは立場によって色々な意見が出たため、発表の際も重なりが少なく、各自の知恵を表出するという目的にはうまくフィットしたと思います。深掘りは内容を絞ってまた今度かな。機会があればブラッシュアップの上実施したいですね。
再利用のためみなさんの書いたホワイトボードを持ち帰ったのですが、眺めているとなかなかおもしろい。自分なりに咀嚼しているところです。この内容は別途ブログにしようと思います。
最後に
参加者のみなさん、スタッフのみなさん、お疲れさまでした!ありがとうございます。 また次のqpstudyで会いましょう!